業務内容

特殊変性ポリマー技術が牽引する市場連動型ソリューションの提供

☆ 技術優位性の市場価値への翻訳

◇ NiSTYの戦略的位置づけと提供価値(USP)

    合同会社ニスティ(NiSTY:以降当社)の活動の核は、単なる既存材料の販売や供給ではなく、市場の極限的な要求特性や未解決課題に対応するため、エポキシ樹脂、ポリイミド、アクリレートなどの基礎素材を徹底的に「特殊変性(モーディファイ)」し、高性能な機能を発現させるカスタマイズ可能なソリューションの設計にあります。
従来の材料開発アプローチから、「競争力強化のための技術トランスレーション」へと提供価値の軸を戦略的に転換することが求められます。当社のユニーク・セリング・プロポジション(USP)は、この変性技術を通じて、次世代の電子材料、エネルギー、高度製造プロセスに不可欠な、耐熱性、高延伸性、低誘電特性、易剥離性といった複合的な要求特性をピンポイントで満たす能力に集約されます。延いては、サステナビリティ領域へと展開を図っています。

◇ 市場動向を捉えた開発コンセプトの概要

  当社が提供する開発テーマは、明確な市場ドライバーに対応しています。具体的には、電気自動車(EV)およびエネルギー貯蔵システム(ESS)市場の急成長、5G/高周波通信の高集積化、そして製造業におけるサステナビリティとTCO(総所有コスト)削減の要求という、三つの巨大な外部環境変化を捉えています。
 当社の開発プロセス(ステージ0-5)は、これらの外部環境の要求を起点とし、最終製品の仕様を達成するために分子設計(変性)へと逆算する「市場逆算型設計思想」を採用。このアプローチにより、開発される特殊変性材料は、技術者の視点ではなく、お客様のビジネス目標達成に直結する価値を持つことが保証されます。

◎ 重点ポイント

 当社において最も重要な点は、技術的な「何を開発しているか」(What)だけでなく、それが外部環境の変化にいかに対応し、「なぜ開発しているか」(Why)と「どのように市場価値に変換するか」(How)を明確に接続させることです。

1.戦略的基盤
 当社の設計の起点は、材料そのものではなく「市場が何を求めているか」です。要求特性を単なるスペック要求としてではなく、“分子レベルの設計課題”として再構成し、構造と機能を往復しながら、市場価値へと翻訳する設計プロセスを実践しています。つまり、当社のコンサルティングは知識の提示だけではなく、価値をかたちに変える設計そのものです。
2.活動フレームワーク
 当社は、イノベーションを「ひらめきの結果」ではなく、「段階的に組み立てる設計」として捉えています。基盤にあるのは、分子設計やプロセス開発など“つくる活動”。その積み重ねが、社会や人の行動の変化を導き、最終的に「市場の動きが変わる」という形で成果が現れます。つまり、合成もデータ解析も、市場行動を変えるための“デザインの一部”です。
3.開発品紹介
 当社は、イノベーションを「ひらめきの結果」ではなく、「段階的に組み立てる設計」として捉えています。基盤にあるのは、分子設計やプロセス開発など“つくる活動”。その積み重ねが、社会や人の行動の変化を導き、最終的に「市場の動きが変わる」という形で成果が現れます。つまり、合成もデータ解析も、市場行動を変えるための“デザインの一部”です。

☆ イノベーションのフレームワーク:特殊変性技術の戦略的地位

◇ 当社の先進材料フレームワークの構造的解釈

 「NISTY’s 先進材料フレームワーク(ピラミッド図)」は、このイノベーション達成に向けた当社の活動方向性を表現する中心的な図です。このピラミッドの上昇ロジックを以下に定義します。

NiSTY‘s 先進材料フレームワーク(ピラミッド図)

NiSTY先進材料フレームワーク
最下段(生み出す活動):サイエンス&センス/マテリアル哲学
この層は、エポキシやポリイミドの変性にとどまらず、新しい物理的ソリューションを生み出す技術基盤を意味します。NiSTYの「マテリアル哲学」は、自然界の構造原理に学び、材料設計へ応用する思考体系です。社会・技術・心理といった外的要因を統合し、複雑な要求を「特殊変性」という技術的ソリューションに翻訳するエンジンとして機能します。科学(Science)と感性(Sense)の融合により、“意味ある機能”を創出する出発点です。
中央(上に向かう過程):クロスドメイン洞察/機能領域
この層は、下層で生まれた機能性ポリマーを市場ニーズへ応用する過程です。「クロスドメイン洞察」とは、異分野を横断し、新たな“機能の交差点”を生み出す発想を指します。例えば、
・半導体 × エネルギー × 通信 による高機能電子材料、
・美粧 × 健康 × 心理的満足 によるウェルビーイング素材(例:ネイルシール)など。
必ずしも全てを融合させる必要はなく、多様な視点の接触から新価値を生む柔軟性が鍵です。研究開発・市場創造・人間中心設計が交差するNiSTYの“実装領域”を表します。
最上段(市場価値の達成):サステナビリティ領域
この層は、グリーンマテリアルや循環型プロセスなど、世界がすでに求める価値領域を示します。NiSTYにとって頂点は「到達点」ではなく、常に上へ向かうベクトルです。社会や環境が変化する中で、活動のすべてが頂点へ向かう持続的な動き(Dynamic Vector)を描きます。“技術で終わらない材料開発”──  
それは、人と環境の調和を「材料」で体現する不断の挑戦です。

☆ 戦略的基盤:市場ニーズから分子設計への逆算

◇ 当社の戦略的位置付けと開発管理ステージの連携

 当社の開発管理は、市場機会の最大化を目的とした体系的なプロセスに組み込まれています。アンゾフの成長マトリクスを発展変形した図で、技術の有無と市場の有無に基づき、新規事業創造や新製品開発といった戦略の方向性を定義しています。

変形アンゾフの成長マトリクス

anzof

 この戦略を支えるのが、開発管理ステージ(第0段階から第5段階)です。特に、第1段階の「コンセプト検証」では市場と提供できる価値の仮説検証を行い、第3段階の「市場評価」ではプロトタイプを限定した顧客に提示しコンセプトを問います。高度な特殊変性ポリマーの開発は資源集約的であり、リスクが伴いますが、この開発ステージ構造は、変性ポリマー合成という「生み出す活動」を、ステージ1とステージ3で積極的に市場(Customer)の要求に晒すことを強制しています。これにより、開発テーマが市場からの要求(有用性: Desirability)から乖離するリスクを最小限に抑え、特殊変性が「市場の切実な課題解決」に直結していることを示す、戦略的な防衛メカニズムとして機能します。

段階実施項目実施内容
0企画・構想テーマとそのマトリックス上の位置もしくはどこを攻めるかを決定
1コンセプト検証市場と提供できる価値(製品:技術)の仮説検証
2ブラッシュアップ コンセプト実現の可能性見極めと改善
3市場評価プロトタイプで限定した顧客にコンセプトを問う
4スケールアップ高評価を得たまたは合格したレシピの量産性を確立する
5市場展開顧客展開、顧客毎銘柄拡充を行う

参考(研究に係る用語の定義)

基礎研究
(Basic research)
特別な応用、用途を直接に考慮することなく、仮説や理論を形成するため、又は現象や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論的又は実験的研究
応用研究
(Applied research)
基礎研究によって発見された知識を利用して、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究や、既に実用化されている方法に関して、新たな応用方法を探索する研究
開発研究(Experimental development)基礎研究、応用研究及び実際の経験から得た知識の利用であり、新しい材料、装置、製品、システム、工程等の導入又は既存のこれらのものの改良をねらいとする研究
             出展 文部科学省 資料3-2 戦略的な基礎研究に関する現状整理

◇ 設計思想:「後工程を考慮した設計計画」の戦略的意味

 「設計の考え方」は、当社の特殊変性技術の戦略的必要性を最も明確に示しています。設計は、ターゲット市場の具体的な用途に基づき、仕様を明確化(目標設定)することから始まります。プロセス設計の核心は、原料から加工が進む際、次工程に何が要求されるのかを明確にすることです。

設計思想

 この階層的な設計過程において、基礎となるポリマー(エポキシ樹脂、ポリイミド)だけでは補えない性能(例:耐熱性、高延伸性、低誘電特性)を「変性」によって付与することが不可欠となります。当社は、お客様の要求特性(例:高延伸性と耐熱性の両立)が通常相反するトレードオフの関係にあることを理解し、分子構造そのものに手を加える特殊変性を通じてこれを解消します。さらに、変性後のポリマーをフィルム化やフォーミュレーションに落とし込む際、その「加工性・作業性」も確保しなければ、最終製品として成立しません。したがって、「後工程を考慮した設計」は、変性技術の成功が最終的な歩留まりやTCO(Total Cost Ownership)削減に直結することをお客様に提案する、技術翻訳のプロセスを意味します。

◇ コンサルティング:技術トランスレーションの役割

 コンサルティング業務は、単なる技術アドバイスではなく、包括的な戦略実行支援として定義しています。業務内容は、「変性ポリマー合成から、フォーミュレーション、加工を経て製品を生み出すお手伝い」に加え、営業の皆さんが、機能製品を的確にターゲッと顧客に届けられるよう、販売する製品の技術、機能のトランスレーションを行うこと、そしてマーケティングへの可能性を高めるという重要な要素を含んでいます。つまり、当社のコンサルティングは、お客様のR&Dが抱える技術課題だけでなく、営業・マーケティング部門が直面する「製品の価値の言語化」という経営課題へ対応することを示します。高度に専門的な特殊変性材料は、そのUSPが市場に正確に伝わらなければ、プレミアム価格を設定できません。当社が「技術・機能のトランスレーション」を行うことで、お客様は自社製品の競争優位性を明確に訴求できるようになり、これは技術開発支援とビジネス戦略支援が融合した、包括的なソリューションの提供を意味します。

スポットコンサルティング
オンライン限定(要相談)
ステージコンサルティング
質問等に電話・メールで対応。調査が必要な場合には別途相談(Ⅲ)。
月内に1日までの訪問指導実施。2日目以降は相談により決定。
調査
調査業務等の時間では決められない為、事前に相談して決定。
伴奏型コンサルティング
Ⅱ.の形式とし、訪問指導日数等詳細は事前に相談、決定。
受託研究
開発段階により相談
業務上知り得た秘密情報は、秘密保持契約、覚書、念書の取り交わしが無くても秘密保持が前提。秘密保持契約が必要であると判断される場合は契約締結させて戴く。
コンサル 受託研究

◇ 戦略的設計思想の具現化:市場要求と変性技術の結合

 当社の設計思想は、単なる高性能化ではなく、市場の巨大な外部ドライバーに対応するための機能設計であることを、以下の表で示します。

市場/用途市場からの主要な外部ドライバー要求特性変性技術による実現 (USP)
LIB/EV/ESS技術革新(エネルギー密度向上)、社会構造(脱炭素化)耐電解液性、低温硬化性、高延伸性特殊ポリイミド骨格変性による化学的安定性とプロセス効率の両立
5G/半導体パッケージング技術革新(高周波化、集積度向上)超低誘電特性、超高耐熱性有機-無機ナノハイブリッド(POSS, PBO
)による電気特性の極限化
高精度製造プロセス (FPC/Wafer)心理変化(品質要求)、技術革新(高温化)高耐熱仕様、
離型性(転写レス)、接着性スイッチング
離型剤フリーの変性ポリマーによるプロセス信頼性の確保
ライフスタイル/安全性心理変化(安全・安心志向)、社会構造(規制強化)人体への安全性、持続的な効果人細胞に安全な成分の活用、溶剤フリー、菌糸成長抑制メカニズム

☆ USP 訴求表現マトリクス

◇ 戦略的設計思想の具現化:市場要求と変性技術の結合

技術特性(変性の結果)と市場連動性を明確に結びつけるために、以下の通り開発品を紹介致します。

開発品ターゲット市場トレンド既存表現の核市場動向・USP
感光性ポリイミド(PSPI)微細化・高周波化に伴う解像性・耐薬品性・信頼性のトレードオフL/S≦5μm領域でも高Tg・低Dfを両立【市場連動】 高周波・微細配線の限界を突破する感光性ポリイミド。フォトプロセス条件下での解像性・耐薬品性・信頼性を同時に実現。
【USP】 光反応設計・架橋制御・分子配向設計を組み合わせた「微細構造の安定化技術」により、L/S ≦ 5 µm領域でも高Tg・低Dfを両立。
感光性材料FPC用
感光性材料回路材料用
感光性PBO
(PSPBO)
5G/高集積化基板、低温プロセス要求耐熱450℃、Df≦0.0005、低温硬化性【市場連動】 高周波通信の信号損失抑制とプロセス負荷の低減。【USP】 PBO級の超高耐熱性(450℃)を保ちながら、ポリイミドより低温で高速硬化が可能な変性ソリューション。
半導体用ポリイミド2
高耐熱高延伸離型フィルム半導体・FPCの高温・高精度プロセス200℃以上対応、離型剤転写なし、延伸率~600% 【市場連動】 高温・複雑な加工プロセスの歩留まり向上と品質維持。【USP】 離型剤転写リスクをゼロにし、200℃超の高温環境下で600%の延伸に耐えうる特殊変性フィルム。
半導体用ポリイミド1
フィルム延伸
スマート・マニュファクチャリング・フィルムズ循環型経済、リユース促進、コスト削減接着性スイッチング機能、リマニュファクチャリング【市場連動】 製造業のサステナビリティとTCO削減。【USP】 接着性のON/OFFを切り替える特殊変性により、高価な部品の再利用と多工程同時処理を可能にする。
次世代LIB電極用バインダーEV/ESSの急成長とプロセス効率化ポリイミド系ベース、低温短時間硬化 【市場連動】 超高速製造ラインと高エネルギー密度に対応。【USP】 低温・短時間硬化と優れた耐電解液性を両立した特殊ポリイミド系バインダー
合同会社ニスティ LIB電極
ネイルシールセルフケア、快適性、ウェルビーイング「タック・弾性・密着」の三点制御【市場連動】 爪の健康維持と生活快適性を両立させるセルフケア素材であり、ウェルビーイング志向の美粧機能材。
【USP】 樹脂の「タック・弾性・密着」三点制御により、爪への負担を抑えた“粘弾性バランス設計”を実現。機能性フィルム設計の知見を応用し、保護・装飾・快適性を一枚で成立させる。
合同会社ニスティ ネイルシール
POSS軽量化、高周波対応、機械的強度向上Df≦0.0005の可能性、有機 無機ハイブリッド【市場連動】 軽量化と電気特性の極限的な改善。【USP】 分子レベルの有機-無機ハイブリッド構造により、物性低下を招かずに超低誘電特性(Df≦ 0.0005級)と高強度を両立。
合同会社 POSS
防カビ剤安全・安心志向(心理変化)人細胞に安全な成分、菌糸の成長抑制 【市場連動】 居住空間の安全要求と持続的な衛生管理。【USP】 人体に安全な成分設計に基づき、カビの生存メカニズム(菌糸成長)を根本から抑制する、持続型の変性防カビソリューション。
防カビ剤

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